体外受精・顕微授精の流れ
1. 卵胞期の管理
良質な卵子を得るためには、卵子が卵巣の中で成熟していく課程がとても重要になります。その成熟課程は非常に長くかかりますが、特に最後の2周期(採卵周期と前周期)が大切になります。 当クリニックが提供する保険治療のART(体外受精や顕微授精)では、必要以上に強すぎない中刺激周期(レトロゾール中刺激周期、クロミフェン中刺激周期、PPOS周期など)で卵胞を育て、良質な卵子を採る治療法を行っています。
排卵誘発法のバリエーション
- エストロゲン周期(自費のみ)
ピル併用ドラッグフリー周期(自費のみ) - 完全自然周期(ドラッグフリー)
- レトロゾール単独周期
- 少量クロミフェン単独周期(自費のみ)
- クロミフェン単独周期
- レトロゾール低刺激周期(自費のみ)
- レトロゾール中刺激周期
- クロミフェン中刺激周期
- PPOS周期
- アンタゴニスト法
- ショート法
- ロング法
一人ひとりに最適な良好卵の育て方を見極める。
2. 採卵・採精
体内で排卵直前まで大きく成長した卵胞内の卵子を専用の採卵針を使用し採り出します。当クリニックでは、特別に製造したクリニック独自の採卵針を使用するため無麻酔採卵が可能です。 痛みに弱い患者様には、局所麻酔や鎮痛剤を使用しての採卵も行っています。採卵後は30分程度安静にしていただくだけで帰宅できるほど身体的負担も少ないことが特徴です。
精子に関しては、クリニック内にある採精室で採取もしくはご家庭からの持込となります。精子を持ち込みされる場合は、採精後3時間以内にお持ちください。
3. 受精・培養
通常の体外受精では、卵子に適切な数の精子を振りかけて受精させます。運動精子が十分に回収できない場合や、過去の体外受精で受精障害がある場合には、顕微授精(ICSI)を行います。
受精卵は順調に分割すると受精2日目で4分割、3日目で7~8分割になります。この時期の胚(初期胚)を移植するのが初期胚移植です。胚盤胞移植の場合は、受精卵を体外で5~6日間培養して、良好な胚盤胞になったものを移植します。
4. 胚移植・凍結保存
体外で培養した受精卵(胚)を子宮に戻します。カテーテルと呼ばれる細い管を用いて経膣超音波誘導下で移植を行います。子宮内膜やホルモン値に問題がある場合には、受精卵(胚)を凍結保存して、子宮内膜の状態を理想的な状態に整えてから融解した胚を移植します(凍結融解胚移植)。
5. 胚移植後の診察・産科への転院
胚移植後、受精卵が無事着床し、順調に成長していくとご懐妊となります。 当クリニックでは妊娠8週目まで診察を行い、赤ちゃんの成長を見守ります。 当クリニックには出産設備がありませんので、9週目以降は他院に転院のうえ、出産の準備をしていただきます。