当クリニックでは2019年9月に「子宮内膜へのPRP療法」が厚生労働省により認定され、すでに不妊治療の現場でも行われていますが、この度新たに2021年10月に「卵巣に対するPRPを用いた不妊治療」についても厚生労働省「再生医療等委員会」より施設認定され(受付番号:01D2108004・計画番号:PB4210010・受理日:令和3年10月22日)11月より卵巣へのPRP投与療法を開始いたします。
治療の詳細や、ご希望の方は診察時に医師にご相談ください。
PRP療法(Platelet Rich Plasma・多血小板血漿)について
ご自身の血液内の血小濃縮液を活性化したものを用いた治療法です。PRPには様々な成長因子(細胞を刺激し活性化させる因子)が含まれており、子宮内膜の着床環境を改善する報告や、卵巣への投与により早発卵巣不全、卵巣機能低下の症例で効果があり、妊娠例も報告されています。PRPの局所注入はこれまで婦人科領域以外でも整形外科や美容外科などでもかなり普及しています。
自身の血液を用いた治療法ですので、アレルギー反応等の心配が少なく、これまでの国内外での使用において、重篤な副作用は報告されていません。
【対象】体外受精における卵巣機能低下がみられる方
当クリニックに通院中の患者様に限ります。
【方法】治療は患者様の前腕から静脈血を20ml採取し、遠心分離機で血漿部分を抽出します。
調製したPRP(約0.5~1ml)を患者様の卵巣内(両方もしくは片方)に注入します。採取したPRPが固まるなど分離後の症状が卵巣注入に不適切と判断した場合、「再度採血」または「投与中止」となることがあります。通常採血から注入まで約60分程度となります。注入当日の安静は不要です。
【治療】PRP療法を希望される場合は、必ず事前に医師までお知らせください。
事前に同意書の記入が必要となります。
投与日については、患者様の卵巣状態や今までの治療内容等から判断いたしますので、具体的な投与スケジュール等は医師と相談の上、決定いたします。
【リスク】
採血時に痛みや出血の可能性があります。
PRP調整にあたって、細菌などの混入防止対策をとっていますが、完全に混入が起こらないとはいえないため感染の可能性があります。
卵巣内に採卵針を用いて注入するため、痛みや出血の可能性があります。
【費用】自費治療となります。
- 卵巣投与(両方・3回1セット):
1回目 220,000円/
2回目 165,000円/
3回目 165,000円 - 卵巣投与(片方・3回1セット):
1回目 165,000円/
2回目 143,000円/
3回目 143,000円
なお、PRP投与後、卵胞の発育不良などの事情で、その後の治療が中断・中止となった場合でも返金はできませんので、予めご了承ください。
【その他】診療情報の二次利用について。
当クリニックは厚生労働省『再生医療等委員会』の登録施設のため、毎年治療報告義務があります。
また、治療法の効果の調査研究及び医学の発展のため、臨床経過・各種検査結果などこれに付随する情報について個人が特定されない範囲内で、各種学会、研究会、学会誌、商業誌などに口頭、ポスター、論文、ビデオなどの形式で発表することがありますので、あらかじめご了承ください。プライバシーの保護に関しては十分配慮いたします。