超音波プローブ消毒器(trophon ERP)
不妊治療において、卵胞の測定、採卵・移植まで、治療の核となる部分に「経膣超音波検査」が必要不可欠です。そのため一日に何十回も「経膣超音波検査」を行います。
当クリニックでは、より安全を期すために「trophon」(高水準消毒器)しております。
なぜ高水準消毒が必要なのか
経膣超音波プローブは患者様の膣内粘膜に直接触れます。使用する際、特に注意が必要なのは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の汚染です。HPVは性交渉により感染することが知られていますが、検査に用いた経膣超音波プローブもHPVに汚染されているケースがあると報告があります。その為、経膣超音波プローブの扱いを誤れば、二次接触による交差感染を起こしてしまう恐れがあり、アメリカではすでに、超音波プローブの使用に際しては、高水準消毒を行うことが厳しく求められています。
従来法と「trophon」の違い
従来法では、感染のリスクを避けるために経膣超音波プローブを使用する際、粘膜へ直接接触しないようにプローブカバーを使用し、また検査使用後には洗浄・清拭や消毒薬浸漬等を行ってきました。
しかし、従来用いられる消毒薬では、HPVを完全に不活化できず、また消毒が十分にできないプローブのハンドル部分は、メチリシン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの病原細菌に汚染されているとの報告もあります。また、採卵室の付近など化学物質の曝露を避けなければいけない場所では消毒することができず、化学物質の使用により消毒をする人の健康を害す可能性がありました。
「trophon」は、高濃度の過酸化水素水を含む専用消毒液を使用します。過酸化水素水は超音波により活性化され、ミクロより小さい粒子の噴霧となり、この噴霧により微生物を破壊します。「trophon」は、シャフトやハンドルを含めた超音波プローブ全体の消毒が可能で、「trophon」自体が消毒プロセスの状態をセンサーでモニタリングし、消毒ごとにケミカル・インジケーターの色の変化で消毒が確実に行われたことを確認出来るため、消毒を行う人によっての差がなく、ヒューマンエラーの心配もありません。さらに「trophon」は、完全密閉されており、消毒後の過酸化水素は触媒を通し水と酸素に完全に分解されるため、室内環境へ化学物質の漏出が無く、採卵室での使用も可能です。
消毒は、全て機械が自動で行うため、消毒をするスタッフの配備や消毒をする時間の軽減に繋がり、患者様にとっては、お待たせする時間などの負担の軽減につながることもメリットの一つです。
費用
550円(税込)/回 (採卵・移植など、手術室内での超音波診断実施時)