検査・治療法
-
アシストハッチング(AHA)(あしすとはっちんぐ)
受精卵の透明帯が固かったり、厚いと透明帯を破るのに時間が掛かり、着床の妨げになることもあり、人工的に透明帯を薄く削ったり、一部に穴を開けたりして着床を手助けをする方法です。極微量のダイオード・レーザーを使い卵の透明帯を削り薄くします。一部に穴を開けることも可能です。操作も簡便なので卵に負担をかけることもなく安全且つ正確な方法です。
-
インフォームド・コンセント(説明と同意)
副作用、他の選択肢、経済的負担も含めて、医療サイドの十分な説明を受け、同意したうえで検査、治療をうけること。
-
カウフマン療法(かうふまんりょうほう)
エストロゲン投与に続き、エストロゲンおよびプロゲステロンを投与して、正常月経周期のホルモン環境を作りだし、周期的な性器出血を起こす治療をいう。子宮内膜を整えたりするほか、卵胞発育を良くする目的で行われる。
通常の低温期に当たる時期に、卵胞ホルモンを投与して、高温期に当たる時期に、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを投与する。人工的に正常の人のホルモン分泌量と同じ周期にさせ、リバウンド効果で正常な排卵が起こる事も期待できる。カウフマンという学者が考え出した治療法。
-
ガラス化法(がらすかほう)(Vitrification)
卵子、受精卵(胚)の凍結保存法で、従来の緩慢凍結法にくらべ、急速に胚を凍結することができる。簡便な上、凍結融解成績が従来法よりも良好とする報告がある。
-
カリクレイン療法(かりくれいんりょうほう)
男性不妊に対する薬物療法です。精子の状態をアップのためカリクレイン錠剤を服用する。
男性不妊に対する薬物療法のひとつで、造精機能を高めるため代謝改善剤であるカリクレイン錠を1日に3錠から6錠内服します。
-
頚管粘液検査(けいかんねんえきけんさ)
排卵日が近くなると、エストロゲンの作用をうけ、頚管粘液は活発に分泌される。頚管粘液により、精子の子宮への侵入が容易になると考えられている。色、液量、牽糸性、シダ状結晶の有無などについて検査する。 頸管粘液が少ないと精子が卵子にたどり着くまで泳いで行く事が出来ません。
-
経膣超音波(エコー)検査(けいちつちょうおんぱけんさ)
ほとんどの病院で通常行われている検査(診察)方法。膣の中にプローブと呼ばれる小さい器具を入れ、超音波により卵巣や子宮の状態をモニターに映し出し観察する。主に卵胞の大きさや子宮内膜の厚さを測定し、排卵の予測に使用する。
-
顕微授精(けんびじゅせい)
現在は、卵細胞質に細いガラスピペットを用いて1個の精子を注入する方法(卵細胞質内精子注入法:ICSI)が主流であるが、顕微鏡下で卵子に精子が入りやすいようにする方法の総称をいう。ほかに、SUZI(囲卵腔内精子注入法)などがある。精子の動きが弱い、精子数が少ない、従来法でも受精しない場合などに有効である。
-
採卵(さいらん)(OPU)
卵子を卵巣から採り出すこと。
-
子宮鏡(しきゅうきょう)
ファイバースコープなどを用いて、子宮腔内の異常(子宮筋腫、奇形、癒着など)を調べる検査をいう。
子宮鏡検査とは外径が約3ミリ程度の内視鏡(細い管の先にカメラがついたもの)を、直接子宮腔に挿入して子宮を直視下に検査をする方法です。子宮鏡には、ヒステロファイバースコープ、ビデオヒステロファイバースコープ、硬性子宮鏡があります。
-
子宮卵管造影法(しきゅうらんかんぞうえいほう)
造影剤を子宮腔内に注入し、X線で撮影する検査です。子宮内部や卵管に異常の有無を診ます。
この検査は、子宮内膜の肥厚が少ない月経直後が適していて、多くの場合は生理が終わった頃に実施されます。造影剤には油性と水溶性があり、油性の場合は次の日に造影剤拡散(腹腔内)の検査のためもう1枚X線を撮影することが多いようです。
-
視診(ししん)
(不妊治療の場合の)健康状態やホルモンの異常の有無を調べるために、外見(体型・乳房の発育・発毛状態など)を診ることをいう。
-
ショート法(しょーとほう)
卵巣刺激法の一種で、月経開始1~3日目より採卵決定日までGnRHアゴニスト(スプレキュア、ブセレキュアなど)を連続使用する方法をいう。
体外受精で、排卵誘発のための卵巣刺激において、排卵を抑える薬の使用期間の長さの違いにより、4通りの方法があるがそのひとつ。GnRHアゴニスト製剤(スプレキュア・ナサニール・イトレリン等)を月経開始時より使用し、月経3日目ごろHMG剤を使用する。他に「ウルトラロング法」「ロング法」「ウルトラショート法」がある。
-
人工授精(じんこうじゅせい)
排卵のタイミングに合わせて、マスターべーションで採取した精液を子宮内に専用の注射器やカテーテルで精液を注入し、受精を助ける方法。精液の処理方法には、濃縮洗浄法とスイムアップ法がある。配偶者間人工授精(AIH)と、非配偶者間人工授精(AID)がある。
タイミングでなかなか妊娠出来ない、フーナーテストの結果が良く無かった、女性に抗精子抗体があった場合などに行われます。
-
精液検査(せいえきけんさ)
男性の精子の状態を調べる検査です。精子の運動量、奇形率、精子の数、精液の量に異常がないか調べます。体調や精神状態で左右することも多く、何回かにわけて検査をします。
-
スイムアップ法(すいむあっぷほう)
洗浄遠心した精子の上に培養液を注ぎ、培養液の中に自らの運動性で浮き上がってくる元気な精子を集める方法。人工授精・体外受精の時、運動良好精子を選別するために行う。
-
セカンドオピニオン(せかんどおぴにおん)
主治医の治療法や方針に対して、他の医師の意見を求めることです。医師によってさまざまな考えを持っているのが現状で、セカンドオピニオンを求めることによって治療をしていく上での選択の幅が広がります。
-
ART(生殖補助医療技術)(せいしょくほじょいりょうぎじゅつ)
体外受精や顕微授精のように卵子と精子を体外で受精させる医療技術です(生殖補助医療)。
-
生検(せいけん)
針などで組織の1部を採取して顕微鏡で検査する方法。超音波画像と違い、直接観察できるので確実な検査法とされています。
-
配偶者間人工授精(AIH)(はいぐうしゃかんじんこうじゅせい)
精液を男性から直接採取して、排卵期にあわせて、子宮内や卵管内に注入して、妊娠をさせる方法です。
入院の必要はありません、注入器を使って、精液を注入します。
-
排卵誘発(はいらんゆうはつ)
薬によって排卵を起こすこと。主に排卵障害がある場合に行われる。自然排卵が認められる場合でも、ホルモン環境を整え、排卵をより確実にするために使用することもある。また、体外受精、顕微授精などでは、排卵誘発で複数の卵子を採取する。
-
ヒステロスコープ(ひすてろすこーぷ)
子宮鏡のこと
-
ヒューナーテスト(ひゅーなーてすと)/フーナーテスト(ふーなーてすと)
頸管粘液内への精子の親友状態を調べる検査です。排卵のもっとも適切な時期に夫婦生活をして精子の進入を調べます。
性交のタイミング時期により結果がかわる事もあるので、2~3回の検査が必要になることもあります。
-
腹腔鏡(ふくくうきょう)/ラパロスコープ(らぱろすこーぷ)
腹腔内を調べる内視鏡検査。全身麻酔下で、腹壁を切開して行う。
-
ホルモン検査(ほるもんけんさ)
ホルモン検査の基礎値の測定は血液検査によって、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、プロラクチン(PRL)、黄体ホルモン(P、プロゲステロン)、エストラジオール(E2)、テストステロンなどを調べる。
-
卵管通水法(らんかんつうすいほう)
子宮腔内に生理食塩水を注入して、卵管采から腹腔内への流出を確認する、卵管の疎通性を調べる検査。超音波で見ながら行われる。